第1033回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
Aimer “escalate”
BS11・アニメ “NieR:Automata Ver1.1a” オープニングテーマ - 第 2 位 ( ⇒ )
abn テレ朝・土曜ナイトドラマ「6秒間の軌跡 ~ 花火師・望月星太郎の憂鬱」劇中効果音楽[森英治] - 第 3 位 ( △ )
NHKオンデマンド・大河ドラマ「春日局」テーマ音楽[坂田晃一] - 第 4 位 ( ▽ )
Aimer “crossovers”
JRA日本中央競馬会テレビCMソング
♪ 2023年 5月に再登場しています。 - 第 5 位 ( ⇒ )
とた「紡ぐ」
今週の週間選曲リストで、リストイン総曲数が 733曲、1位と記録された曲数は 304曲になりました。毎週 5曲に絞った選曲ですが、20年以上続いていくと、もはやデータベース無しでは、管理できない曲数に達しています。そして明確な選曲基準が無ければ、20年間も続けられません。その選曲基準とは、ジャンル無差別に「美しい音楽」を選曲する一点に尽きます。
ラジオDJやパーソナリティーの多くは、その楽曲のタイトルや付随する歌詞からの連想で、音楽の選曲を済ませています。タイトルに春が付いていれば、春の季節にオンエアーするべく単純に選曲してしまうのです。はっきり言って稚拙な職業意識が そうさせるのです。タイトルや歌詞からの抽出語は、楽曲のインデックスでありません。音楽の理解から遠く離れています。
またファンキーなリズムがフュージョンチックになっている(笑)とか、楽章構成にソナタアレグロの盛り上がりがあるとか、サビのコブシに漁師の心がこもっている(笑)とか、やたら音楽の類別を使って、抽象的な評論をマイクの前でしてしまう方もいます。こう書いてみて想起したのは、J-WAVEのクリスペプラーですが(笑)これらもまた音楽の理解を語っていません。
音楽放送を担当しているプロのラジオDJ・パーソナリティーは、なぜ音楽を学問として捉えて、少しずつでも正統な研究手法により学んでいかないのか? 疑問を持ち続けていました。音楽を学問として捉える為には、和声学を習得しなければならず、その結実として「和声感」が身に付かなければなりません。音楽から美しさを感じるためには、この和声感が絶対必要です。
絶対音感がある人は、音楽的に才能があると思われがちです。しかし絶対音感が有効なのは、音を楽譜に起こす採譜行為にほぼ限られます。和声感が欠落しているのに絶対音感がある方の中で、たまに音楽が好きになれないと主張するのは、この為です。和声感が必要な相対音感が聴き取れず、かえって絶対音感が、音楽本質の理解を邪魔しているケースがあるからなのです。
私は、山下毅雄 先生の制作による時代劇「大岡越前」テーマ音楽が、この和声感の有無を峻別出来る名曲だと思っています。アレンジは 変節していますが、初期の「大岡越前」テーマ音楽を聴いて、美しい、素晴らしいと感じる事が出来る方は、和声感を有しており、淋しい、哀しい、あるいは怖い(笑)と真っ先に感じてしまう方は、和声感に問題があると判断しています。
但し いくら和声学を勉強しても、和声感が確実に身に付くとは限りません。和声禁則の中にも、和声感を醸成する要素があります。美しい和声とは、不協和音の隣人でないかと思えてしまう事さえあるのです。また和声感の他に、調性感も音楽を深く理解するためには 必要なのですが、教科書的な調性音楽が、常に美しい和声を醸し出しているとは、一概に言い切れません。
私は、何でも独学好きですから(笑)音楽を学問( Musicology )として勉強しました。そこで編曲とは、和声法・対位法が必要であり、楽器毎に音程の輻輳を避け、和音構成や度の変幻が重要だと理解しています。そして音楽の独学は、途中で打ち切りました。これ以上進むと、作曲・編曲の実践をしなければならなくなるからです(笑)。その域までは 必要ありません。
このブログの週間選曲リストの選曲基準は、ルールに記してあります通り、私の和声感・調性感に基づく、美しい音楽か否かの判断なのです。この判断に、システマティックな順位決定基準を加味して、20年間続けてきました。なぜ私に和声感・調性感が身に付いたのか? その経緯は ルールでも記してありますし、機会がありましたら、詳しく記事にしたいと考えています。