第982回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
Mitski “Love Me More” - 第 2 位 ( ▽ )
NHK総合・大河ドラマ「鎌倉殿の13人」テーマ音楽 [エバン・コール] - 第 3 位 ( △ )
Liam Gallagher “Everything’ Electric” - 第 4 位 ( ▽ )
BS WOWOW・オリジナルドラマ「前科者 ~ 新米保護司・阿川佳代」劇中効果音楽 [岩代太郎] - 第 5 位 ( ★ )
TVKテレビ神奈川・ドラマ「パティシェさんとお嬢さん」テーマ音楽 [MOKU]
終奏処理は引っかかるがフレンチポップスなアレンジ。
世界各国の国防省には、戦術研究機関があり、日本の防衛省にも防衛研究所があります。世界中の戦術研究機関が、戦況を食い入るように見ていると思います。この 21世紀に入って、まさか内陸の近代国家同士で、陸上の市街戦が展開するとは 思ってもみませんでした。旧ソ連邦ならば、ウクライナは 同一国家であったはずです。従来の国際関係では あり得ない事です。
ウクライナには、公共放送があります。以前は国営放送でしたが民主化されました。「ウクライナラジオ」は、ウクライナ語で 24時間FM放送を行っています。サービスエリアマップを見てみると、日本のNHK-FMの様にウクライナ全土に中継局が張り巡られており、首都・キエフのテレビ塔がミサイル攻撃されても、現在まで停波する事なく全国放送が続いています。
この戦時下で、ウクライナラジオの生活者向けの第1チャンネルは「特別放送」つまり報道特別番組が、臨時に長時間編成されています。また第2・第3の音楽 文化チャンネルも、多くの時間が第1チャンネルの同時放送になっていました。その特別放送をネットで聴いてみましたが、キャスターがリポーターの電話報告を求めても、応答がない事が 2度ほど聴き取れています。
ウクライナラジオの番組編成を詳しく調べてみると、農家向けの番組や 朝のワイド番組などは、レギュラーで放送されていました。しかし 日を追う毎に「特別放送」が多くを占めてきています。また特別放送では、リスナーからの情報電話を常時受け付けていました。マラソンという語彙を使うほど、ニュース以外は、特別放送オンリーの長時間生放送となっている様です。
プーチン ロシア連邦大統領は、69歳です。20年以上 権力の座に就いています。旧ソ連邦の諜報機関であるKGB(国家保安委員会)が新卒の就職先でした。KGB勤務を経て、サンクトペテルブルク市で地方政界デビューをしています。そして中央政界に打って出た時には、既にソ連邦は崩壊していました。エリツィン 元大統領から禅譲される型で政権が始まっています。
政権途中の首相時代は、タンデム体制と呼ばれています。ロシア連邦憲法では、任期 2期 8年までと、3選が禁止されていました。そこで第1副首相を大統領に担ぎ上げて、自らは首相に任命されて全権を掌握するといった、実に手間暇かかる政権維持をしたのです。その 4年後にまた立候補して大統領に当選しています。プーチン大統領の信条は この粘り強さでした。
結局その後プーチン大統領は、憲法改正をして、任期を 6年まで伸ばし、リセット(笑)可としました。リセットできるのですから 2036年まで大統領職に留まる事が可能です。タンデム体制で担ぎ上げられたメドヴェージェフ 前大統領は、現在 与党・統一ロシアの党首です。ロシア連邦安全保障会議の副議長を勤めて、今回のウクライナ侵攻にも支持を与えています。
旧ソ連邦の国営放送「モスクワ放送」も今はなく、後継のロシアの声放送は 名を変えネット展開です。辛抱強かったプーチン大統領も、加齢と共に短気になり、旧ソ連邦復活の幻想を本気で追い始めました。もしモスクワ放送が今も続いていたなら、あのアフガニスタン侵攻の時と同じく、擦り込む様に何度も繰り返し、侵攻正当化のプロパガンダを続けていたに違いありません。
近代民主国家が侵攻された場合、ラジオ放送は どうなっていくのかを知る、初めてのケースとなりました。首都キエフに本部があるラジオ放送局「ウクライナラジオ」は、人気ワイド番組の放送を続けながらも、随時「特別放送」で最新の戦況を伝える、概ね落ち着いた番組編成をとっています。しかしウクライナラジオも ウクライナ国家自体も、今後の情勢は 全く不透明です。
(追記) 週間放送視聴日記(2022年 5月13日)に、ウクライナラジオ戦時体制その後 を掲載しました。