第701回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
George Winston “Longing/Love”
JT テレビCM音楽
♪ 編曲は 藤田哲司。 - 第 2 位 ( ▽ )
NBS カンテレ・ドラマ「ON 異常犯罪捜査官 藤堂比奈子」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [菅野祐悟] - 第 3 位 ( ⇒ )
abn テレ朝・ドラマ「刑事7人」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [吉川清之] - 第 4 位 ( ⇒ )
NHK総合・大河ドラマ「真田丸」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [服部隆之] - 第 5 位 ( ⇒ )
Echosmith “Cool Kids”
先月 8日の午後 3時を期して、NHKを始め全国の地上波テレビ局は、天皇陛下のビデオメッセージを、一斉に放送しました。天皇陛下のビデオメッセージ 特別放送は、2011年 3月の東日本大震災直後以来となります。今回は、数日前に事前予告があった事から、まさに「平成の玉音放送」とも言え、日本の放送史上にも残る、大きな特別放送となりました。
天皇陛下のビデオメッセージ指定放送時間の午後 3時には、NHK総合や 殆どの地上波民放テレビ局が 特別番組を生編成しました。但し 東京メトロポリタンテレビ(MX)なと一部の局は、送出設備等の都合から天皇陛下のビデオメッセージを一斉放送せず、またテレビ神奈川や サンテレビなどメジャーネットワークに加盟しない独立U局は、通常番組を放送しています。
ラジオは、NHKが第1放送で、特設ニュースを設け、ビデオメッセージの音声を、テレビと同時放送しています。なおFM と 第2放送は、通常番組を放送しました。在京のAM民放 3局は 特別編成を実施。海外では、英国のBBCが強い関心を示し、なんと天皇陛下のビデオメッセージを、英国時間の午前6時に、国内向けに同時通訳付きで生放送をしています。
またFM長野は、午後 3時20分から天皇陛下のビデオメッセージに関して JFN送出の特別な全国放送に切り替わりました。3時24分から、天皇陛下のビデオメッセージ音声を全編放送しています。全国でビデオメッセージが流れた 3時頃は、通常番組でメジャーコードの派手な曲が流れ、20分過ぎから静かなクラシック音楽に曲調が激変したのは 印象的でした。
7月13日のNHK総合テレビのニュース7 と NHKーFMの今日のニュースで、突然「天皇陛下 生前退位の意向示される」と、驚天動地の第1報が、独自報道( Exclusive )として流れました。これは 10年前にNHKニュース速報として、秋篠宮妃紀子さま ご懐妊を大スクープした時と類似しています。宮内庁側のリークが、ニュースソースである事は間違いありません。
そして私がこのニュースを知って、まず気付いた事は、天皇陛下の生前退位が、現行憲法に抵触するのではないか? という疑問です。二千年にも及ぶ天皇制が培った歴史の中で、幕府や為政者に対し、抗議や不満の意思表示のために退位をほのめかし、また実際に退位した歴史上の出来事が何度もありました。天皇が帝位を賭けた政治利用の行動が、生前退位なのです。
天皇陛下のビデオメッセージには、ご高齢によるお体を省みて、憲法に定められた国事行為に支障がある可能性を憂慮され、責務を果たす事を強く望まれたお気持ちが ほとばしっていました。しかし、いかなる理由であれ天皇の意思による生前退位は、現行憲法上の問題があります。さらに皇太子以下の皇族にも生前の譲位や離脱を、制度的に認めなければ、法的均衡がとれません。
天皇が神聖にして不可侵と謳われた明治憲法の頃でも、旧皇室典範第52条に皇太子以下の皇族へは懲戒規定があり、皇族としての品位を辱め皇室への忠順を欠く時は、皇族特権を停止 もしくは 剥奪可能なほど、地位に厳格さが求められていました。今回の天皇陛下のお気持ちに沿うならば、摂政制度や 国事行為臨時代理制度をさらに充実させる事などで対応出来たはずです
ところが、陛下のビデオメッセージでは、この摂政制度の活用に明確な懸念を述べているのです。ここまで踏み込まれると間違いなく解るのは、宮内庁 そして 安倍 首相を含む内閣官房のチェックは 存在していると言う点です。天皇陛下の生前退位規定を全く問題なく設けるためには、根本的に 皇室典範の全面改正、さらに憲法の一部改正さえ必要となるからです。
私は憲法改正が実現するためには、余程魅力的な条文草案を出さないと難しいとブログに書きましたが、安倍 首相は、憲法改正を実現する端緒として、第1章 天皇条項から手をつけようとするならば、護憲勢力は 全く想像だにしなかった手段かも知れません。現に産経新聞が実施した世論調査では、生前退位を認める憲法改正には、なんと 84%が賛成となっています。
天皇陛下の宸憂(しんゆう)を慮り、生前退位を認める憲法改正は、皇太子以下の皇族にも生前の離脱を認めるならば賛成です。また特例法で 1回限りという手法も認め得るかも知れません。内閣からの意向が、天皇陛下のビデオメッセージに どれだけ含まれていたのか? 平成の玉音放送は、21世紀の天皇制の根幹に係わる重大なターニングポイントになりつつあります。
(追記) 天皇陛下生前退位に関する週間放送視聴日記は、次の通りです。
「生前退位のご日程」(2017年 1月20日)
「退位特例法を読み解く」(2017年 6月 2日)