第601回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
竹内まりや「深秋」
NHK総合・土曜ドラマ「芙蓉の人 ~ 富士山頂の妻」主題歌 - 第 2 位 ( △ )
NHK BSプレミアム・プレミアムよるドラマ「タイムスパイラル」劇中効果音楽 [池頼広] - 第 3 位 ( ▽ )
NHK総合・土曜ドラマ「芙蓉の人 ~ 富士山頂の妻」劇中効果音楽 [服部隆之] - 第 4 位 ( ⇒ )
JUJU「ラストシーン」
NHK総合・ドラマ10「聖女」主題歌 - 第 5 位 ( ⇒ )
NHK総合・連続テレビ小説「花子とアン」劇中効果音楽 [梶浦由記]
♪ 1位 1週、登場16週。
以前 週刊コンフィデンス(オリコン)を、馴染みのレコード店で閲覧させてもらい、100位まで順位を暗記する芸当(笑)を紹介した事がありました。そのレコード店に就職しなくてよかったと今更ながら思いますが(笑)オリコンの他にも当時は、レコード業界誌が 4誌ありました。オリコン、日刊レコード特信、ミュージック・リサーチ、そしてミュージック・ラボです。
「週刊ミュージック・ラボ」は、1970年夏に創刊しました。本社は 電波新聞社ビルの別館で、同社と親子会社的な関係を結び、基本チャートが電波新聞に掲載されていた時期もあったほどです。購読料は オリコンよりリーズナブルで、米国・ビルボード誌とも全面提携していました。そして音楽業界の構造変化が始まると、ミュージック・リサーチの跡を追い撤退しています。
ミュージック・ラボで特徴があったのは「ヒット指数」と称する得点表示です。オリコンが、推定レコード売上枚数の10分の1を得点としてチャートで発表する、ビルボードでも真似の出来ない独創を遂げたのに対して、ミュージック・ラボは、独自のヒット指数を発表していました。実は、このヒット指数こそ、全国レコード売上調査の素データを、正直に表現していたのです。
今の様にPOSシステムでCD売上実数をカウントしていなかった頃は、調査対象各店舗から 30位もしくは 50位までの順位レポートを、業界誌集計部へ報告する方式を採っていました。当然下位は 売り上げ数枚程度で並びます。ところがこのレポートを全国規模で何百店舗と集計すると、その店舗順位の総合は、統計学的に実売数の総合に近似となっていくのです。
ミュージック・ラボのヒット指数は、調査全店舗で1位になると、1000点満点になる様に設計されていました。実は オリコンもミュージック・リサーチも、同様のヒット指数的な素点があり、そこから売り上げ枚数の推算式に当て嵌め、得点として発表していたのです。ミュージック・ラボは、その最終処理をせず、素データを正直にヒット指数として発表していました。
またミュージックラボは、なぜか 8月にチャート発表を休止する不可解な慣習がありました。全米トップ40が、スペシャルカウントダウンでレギュラーチャートを休むのと似ており、この夏の休止というのは、チャート誌にあるまじき所業(笑)だったのです。また創刊当初 10年間ほどは、音楽業界の経済誌的な要素が強く、読み物の記事がチャート資料を圧倒していました。
オリコンの独走態勢に、一石を投じようと創始された第3の業界誌「ミュージック・ラボ」でしたが、チャート作成の素点をヒット指数として公開する工夫はあったものの、チャートシステムの独創性は、オリコンに及ぶすべもなく、後塵を拝するのみでした。オリコンをチェックする存在を超える事はできず、結局ミュージック・ラボ誌は、1994年に廃刊しています。