第465回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
NHK総合・大河ドラマ「平清盛」テーマ音楽 [吉松隆] - 第 2 位 ( △ )
NBS フジ・ドラマ「ストロベリーナイト」劇中効果音楽 [林ゆうき] - 第 3 位 ( ▽ )
Lady Antebellum “Just a Kiss”
テレビ東京・2時間サスペンスドラマ「水曜ミステリー9」エンディング テーマ - 第 4 位 ( ⇒ )
abn テレ朝・木曜ミステリー「科捜研の女」劇中効果音楽 [川井憲次] - 第 5 位 ( ★ )
abn テレ朝・木曜ドラマ「聖なる怪物たち」劇中効果音楽 [沢田完]
♪ リスト対象は 綺麗な変奏が味わえる劇伴です。
大晦日からお正月にかけて、NHKラジオ第2放送の年末年始ラジオ番組を数多く録音しました。いつも寝正月なので(笑)録音には、我が家のラジオサーバーの留守録機能を総動員しています。ラジオフリークは 数多くいますが、年末年始のラジオ放送の中でも、この様なラジオ第2の番組を録音しておくのは、全国で 5人いないのではないかと思っています(笑)。
まず元日 朝のラジオ体操(笑)。365日 放送するラジオ体操の元日は、どんな感じなのか? 前から聴きたいと思っていました。ピアノ伴奏で、お正月の定番曲「春の海」を流し、ラジオ体操の歌の前に講師が新年の挨拶をします。他にも NHKラジオ第2放送で、三が日しか放送しない「雅楽」や「筝曲(そうきょく)演奏」の時間など、レアな年始番組が録音出来ました。
年末にかけてネット上へ、放送開始 80周年を迎える、ラジオ第2放送の広告が大挙流れ、総合テレビでも、ラジオ第2放送のPRミニ番組をオンエアーしていました。平日 15分間 密やかに放送している「朗読の時間」も、新年は 女優・松たか子が担当し、大々的に宣伝したのは 今までない事です。村上春樹を読んだ 朗読の時間 スペシャルも、今回録音しました。
NHKラジオ第1放送では、既に 4月新編成の概要が発表になりましたが、相当 首を傾げる内容です。まず平日午前の「ラジオ ビタミン」を終了させて、新しい生ワイド番組を編成しました。番組名が「すっぴん!」(笑)。さらに土日の夜 3時間に、若年齢層向けのワイド番組も編成。あの「ラジオ深夜便」の午後 11時台まで削り、この番組に時間を割いてしまいました。
近年、低年齢層のラジオ離れが進んでいます。NHKも民放ラジオと 共同キャンペーンを打つなど対策を進めていますが、首都圏を中心としたラジオ聴取率調査でも、一部の番組で 10代の男女(T層)に「※印」すなわち聴取ゼロの記録が散見される様になってしまいました。しかも それが深夜の若者向け番組にも現れているとの事ですから、制作サイドの危機感は募ります。
ここ数十年のラジオの世界は、性別・年齢層や職業別にターゲットを絞って放送番組を決める「オーディエンス・セグメント」編成が席巻していました。NHKラジオ第1の新編成の方針も、若年齢層までターゲットを伸ばしたいという「オーディエンス・セグメント」の考え方からだと思われます。しかし、若者向け番組でも そのターゲット層に、※印がつく時代なのです。
ラジオリスナーを なめてはいけません。安易なターゲット層を絞った番組は、他の年齢層を敵に回す結果にも繋がりかねないのです。そしてターゲット外の絶対多数の大衆は、確実にラジオから離れていきます。1 ~ 2%の少ないパイだけを取り込もうと躍起になり、残り90%以上のラジオを聴かない人々の理由を真剣に考えなければ、もはやラジオに未来はありません。
絞るべきターゲットがあるとするならば、性別や年齢層などの安易なものではなく、知的水準や多次元的な社会階層なのです。単純なオーディエンス・セグメント編成は、特化が昂じて非ターゲット層に対し、差別や蔑視を助長する可能性さえあります。どうしても疲弊してきたラジオ制作者は、見下す様な番組制作をしたほうが楽だと、本能的に考えているのかも知れません。
もしNHKが若者向けのワイド番組を開発したいのなら、ラジオ第1でなく、まずラジオ第2放送ですべきです。それは「お話しでてこい」などの幼児向け番組も存在する、教育専門波のラジオ第2放送だからこそ可能なのです。若者に絞った番組とは、教育番組に他なりません。総合波であるラジオ第1放送が維持してきた、知的水準のキープを怠ると 逆効果になります。
若者は、若者のまま留まらず、必ず壮年になっていきます。ラジオ番組の聴取者を、都合のいい様に単純な年齢層で勝手に切り取り、その切り取った年齢層しか理解出来ない様な、パーソナリティや スタッフしか最初から招集しない 短絡的な「オーディエンス・セグメント」編成では、少子高齢化を迎え成熟しきった この国において、もはやラジオメディアを救えないのです。