第201回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
中島みゆき「銀の龍の背に乗って」
NBS フジ・木曜劇場「Dr.コトー診療所2006」主題歌 - 第 2 位 ( ⇒ )
倖田來未「夢のうた」
abn テレ朝・木曜ドラマ「だめんずうぉ~か~」主題歌
♪ 辛島美登里「愛すること」にも、アレンジの類例があります。 - 第 3 位 ( △ )
NBS フジ・木曜劇場「Dr.コトー診療所2006」劇中効果音楽 [吉俣良] - 第 4 位 ( ▽ )
abn テレ朝・ドラマ「相棒」劇中効果音楽 [池頼広] - 第 5 位 ( ▽ )
Delta Goodrem “Flawed ~ 埋まらないパズル”
これだけ芸達者が揃った朝ドラを視るのは久しぶりです。新進女優が、ある意味実験的に主役起用されてきた朝ドラにおいて、その主役の演技力に関しては、全く不安がありません(笑)。1961年 放送開始以来 75作品に及ぶ朝ドラの歴史を振り返ってみても、BK(NHK大阪)制作の連続テレビ小説「芋たこなんきん」は、極めて異色な作品と位置付けられます。
従来ヒロイン(主役)は、新進女優を抜擢してきたのに対し、今回は 現在 松竹新喜劇の座長で、上方喜劇の神様・故 藤山寛美の三女 藤山直美が起用されたのも異例中の異例です。とにかく私が驚いたのは、第62作(2000年)「私の青空」のヒロイン・田畑智子、第59作(1998年)「やんちゃくれ」のヒロイン・小西美帆 をレギュラーで配役した点です。
さらに第42作(1989年)「青春家族」のヒロイン・いしだあゆみ もレギュラー入りしており、朝ドラヒロイン経験者 3人が、今作のヒロイン・藤山直美を脇から支えていく贅沢な配役は、ある意味 今作のヒロインの「格」の違いを示す、珍しいキャスティングのシグナルだと思います。この様な完璧とも言える配役で臨んだ朝ドラは、全く類例がないほどです。
藤山直美は、舞台において最も力量を発揮する天才女優です。父・寛美と違った藤山直美の凄い点は、まるで自分の存在を消すかの様な「引く芝居」も出来、その可変が自在です。この 芋たこなんきん も、きちんとテレビサイズの芝居に徹し、夫役・國村隼との長回しな晩酌シーンは、まるで洗練されたドキュメントを放映する様なハイレベルのテレビ演劇を魅せています。
その他 藤山寛美の愛弟子で松竹新喜劇の生え抜き、NHKドラマは「くろしおの恋人たち」以来となる小島慶四郎が義父 役で出演しています。また義母 役の岩本多代は、連ドラのプロフェッショナルと言うべきベテラン女優です。他にも石田太郎・櫻木健一・荒谷清水など、在京・在阪を問わず、経験豊富な芝居巧者だらけで、レギュラー配役に隙がありません。
特に10月31日 第26回 放送では、藤山直美のテレビデビュー作になる「なにわの源蔵事件帳」(1983年)で共演した 在阪の名脇役・安部潮 もゲスト出演しています。音楽は 栗山和樹が担当。以前このブログで選曲された「女系家族」(2005年 年間5位)や昼ドラ「メモリー・オブ・ラブ」とは、全く正反対な(笑)コテコテの劇伴をスコアリングしています。
連続テレビ小説には、新人女優の登竜門的な要素があり、作品によって未成熟の主役の演技に、視聴者は根気強く(笑)半年近く付き合わなければなりません。芋たこなんきん は、そういった付き合い(笑)の必要がなく、かつてないほど芝居のレベルの高い朝ドラと断言できます。新人女優養成に視聴者として疲れた時にでも(笑)この様な朝ドラにまた出会いたいものです。