第590回ランキング
- 第 1 位 ( △ )
Bryan Adams “Run To You”
スズキ テレビCMソング - 第 2 位 ( ▽ )
NHK総合・連続テレビ小説「花子とアン」劇中効果音楽 [梶浦由記] - 第 3 位 ( ▽ )
笹川美和「続く」
NHK BSプレミアム・プレミアムドラマ「珈琲屋の人々」主題歌 - 第 4 位 ( ⇒ )
EGO-WRAPPIN’「サニーサイドメロディー」
テレビ東京・ドラマ24「リバース エッジ 大川端探偵社」エンディング テーマ - 第 5 位 ( ★ )
NHK総合・木曜時代劇「吉原裏同心」劇中効果音楽 [林ゆうき]
♪ 制作者にとって純時代劇では初劇伴ですが、変わらず高い域の和音構成と旋律。
ワールドカップなどの週間放送視聴日記で前後しますが お許しください。先月16日に 全米トップ40(American Top 40)の原盤DJであるケイシー ケイサム(Casey Kasem)さんが、お亡くなりになりました。。「全米トップ40」は、RFラジオ日本で土曜深夜に放送されていた、我が国洋楽ヒットチャート番組の最高峰でした。
ビルボード・シングルHOT100から 上位 40曲を、カウントダウンで全曲オンエアーする この全米トップ40は、ハリウッドのスタジオから空輸される原盤を基に、RFラジオ日本(旧・ラジオ関東)で日本語版を制作・放送。日本語版の解説は、音楽評論家・湯川れい子。そしてRFラジオ日本の坂井隆夫 アナウンサーがナビゲーションを担当していました。
この全米トップ40は、RFラジオ日本で放送された 1週間後にFEN(現・AFN)在日米軍放送で、その原盤が土曜午後 4時間フルで放送されていました。日本語版でトップ40を把握した後、まるで予習・復習する様に、原盤をフルでリスニングできます。以前ブログでも書きましたが、私の耳年増(笑)な英語力は、このFEN と 全米トップ40で養成されたのです。
まだ原盤のオープニングを覚えていますが“ Hello again,welcome to American Top 40,I’m Cassy Kasen. .”と、解りやすい英語を駆使します。湯川れい子 女史は、親しみを込めてケイシー旦那と言っていましたが、初等の英語教科書の冒頭にある様な“ I’m Cassy Kasen. ”あるいは“ My name is Cassy Kasen. ”と、名乗ってくれる英語DJは、ケイシー旦那だけでした。
私が愛していたのは、この全米トップ40の原盤フォーマットです。まず 40位から 2位まで総ての順位に、個々のサウンドステッカーがあり、急所の順位の曲紹介前で流れます。このタイミングが実に素晴らしいのです。そして 1位の発表の瞬間には、ドラムロールが演奏されます。40位から順に聴いていくと、ラストに流れる1位のドラムロールには 感動を覚えます。
さらに毎週 全米・全世界で全米トップ40を放送しているラジオ局を、数局ずつピックアップして、放送局名、コールサイン、そして地名国名を、原盤で紹介します。これも実に佳いのです。ケイシー旦那が“ Radio Kanto,Yokohama Japan ”と紹介した時は、歓声を上げるほどでした。ちなみにFENの場合は“ Armed forces Radio,around the global ”と紹介されていました。
また日本語版では、坂井隆夫 アナが、そろそろトップ40から消えそうな曲のラストで「HOT100 25週、TOP40 16週、TOP10 7週、TOP5 3週、最高は 第2位。」と登場週数のデータを読み上げるのも、チャート番組として実に素晴らしかったです。このブログの週間選曲リストでも、この週数データを発表する事を踏襲させてもらっています。
全米トップ40で最も感動したのは、1979年に日本の人気アイドルだったピンクレディーの“Kiss in the dark”が、トップ40に入った時の事でした。在日米軍放送では、日本国内の楽曲が放送禁止になっています。全米ヒット曲として認められた唯一例外は、1963年に全米 1位になった坂本九 “Sukiyaki”(上を向いて歩こう)でした。
そこに全米ヒットになった、ピンクレディーの“Kiss in the dark”が加わり、毎日FENで流れはじめました。正直言ってピンクレディーは、あまり好きではなかったのです(笑)。されど1979年 7月21日の全米トップ40に、ピンクレディーの“Kiss in the dark”が、40位初登場した時を、私は 忘れる事が出来ません。
ケイシーケイサムが“debuting here,first american hits by the best selling japanese recording act in the world,”と紹介し、さらに“ two pretty girls in tokyo known as Pink Lady,there are song is Kiss In The Dark.”と曲紹介を聴いた瞬間の魂を揺り動かされるような感動は、私が何十年に渡って音楽ヒットチャート番組を聴取記録してきた中でも、五指に入るものでした。
今では考えられませんが、全米トップ40は、原盤をLPレコードで制作して、全米・全世界に配信していました。そのお陰で原盤レコードが多数現存しており、懐かしのトップ40として、原盤を そのままオンエアーする番組が、全世界で放送されています。ヒットチャート番組が衰退していく今日、ケイシーケイサムは、最高の音楽コンテンツを 現代に残してくれました。