FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第564回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    ビリーバンバン「これが恋というなら」
    三和酒類 iichiko テレビCMソング
  2. 第 2 位 ( △ )
    NHK総合・ドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー同期生」テーマ音楽 及び 演出効果音楽 [東谷尚]
  3. 第 3 位 ( ☆ )
    天野春子(小泉今日子)「潮騒のメモリー」
    NHK総合・連続テレビ小説「あまちゃん」挿入歌
    ♪ 第64回 NHK紅白歌合戦で視聴した抜群の歌唱パフォーマンス。
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    ダイドーブレンド オーケストラ編 テレビCM音楽 [ELIAS ARTS]
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    Jamie Cullum “Save Your Soul”
    トヨタ自動車 テレビCMソング

 明けまして おめでとう ございます。 2014年(平成26年)の新春を迎えました。

 今年最初の週間放送視聴日記は、まず年末・年始のテレビ・ラジオ番組を振り返ります。12月30日 発表の FM長野 JFN“COUNTDOWN JAPAN”年間第1位は、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」(推定得点:234)。「コスモ ポップス ベスト10」年間第1位は、Daft Punk“Get Lucky” (推定得点:112) が獲得しました。

 同じく30日の「第55回 日本レコード大賞」は、EXILE「EXILE PRIDE ~ こんな世界を愛するため」。エグザイル は、3年ぶり4回目の受賞です。服部克久 前制定委員長が、前回の授賞式の際にプレゼンターとして、レコ大選考過程に係わる皮肉めいた発言をしたせいなのか、今回のレコード大賞は、安住紳一郎 TBSアナウンサーから発表がありました。

 大晦日 放送「第64回 NHK紅白歌合戦」は、また白組が優勝。視聴率は、前半 36・9%、後半 44・5%(関東地区)。紅白の優勝判定では、11年ぶりに 麻布大学野鳥研究部、8年ぶりに ボール投げが復活しており、ゲスト審査員が、一人あたりボールひとつずつ。視聴者審査員の中間投票・最終投票 さらに会場審査が、ひとつずつ。計 13個のボール投げでした。

 【最終審査結果:紅組 23万6537(4ポイント) 白組 43万3625(9ポイント)】

 視聴者審査員の中間審査は、紅組 20万9239(43・9%)白組 26万6887(56・1%)。最終審査は、紅組 23万5669(35・3%)白組 43万1783(64・7%)。会場審査は、紅組 864(32・0%)白組 1836(68・0%)という結果でした。3個のボールが総て白組へ行き、ゲスト審査員は 紅組 4:白組 6だったと推算されます。

 今回の紅白歌合戦で圧巻だったのは、連続テレビ小説「あまちゃん」のミニドラマ パートに尽きます。これほど完成度の高い生放送ドラマを視たのは、私にとって初めてでした。私が視た限りでは、第1部での北三陸駅からの中継と、本編でタクシーに乗った足立ユイ(橋本愛)が会場に駆けつけるシーンは、収録だと推測していますが、生放送の部分と見事に整合しています。

 あまちゃんレギュラー出演陣の全く生放送を感じさせない見事な演技と、天野春子(小泉今日子)から 鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)への「潮騒のメモリー」リレーは 素晴らしかったです。二人が登場した時の場内の大歓声は、まさしく本物で、紅白歌合戦全体を視聴した後で断言できますが、このふたりは、他の紅白出場歌手のパフォーマンスを質的に抜き去っていました。

 特に足立ユイが駆けつけるシーンで映った「第157回」のタイトルバックは、最終回 プラスワンを意味しており、単なる企画コーナーではないと物語っていました。ちょうど朝ドラの放送時間となる 約 15分が経過したラストの瞬間に、ゲスト審査員の宮藤官九郎 と 宮本信子の間に映っていた ヒビキ一郎(村杉蝉之介)まで、実に練り上げられた完璧な構成 と 演出でした。

 私が思い続けていたテレビドラマの理想とは、フィクション つまり 虚構のドラマ設定が、人気 と ハイレベルな演技で、現実の世界と判別がつかないほど溶け合ってしまう事だと、前々から考えていました。しかし、その高い域に達するのは 殆ど不可能です。まさか その理想が、我が国最高の音楽放送番組である「紅白歌合戦」の生放送で実現するとは思っても見ませんでした。

 エンディンク 11時45分ジャストのNHKホールのバズーカ クラッカーから奈良県 唐招提寺への「ギャップ」は、見事なスイッチングでした。ちなみに 紅白歌合戦は、最高クラスの娯楽番組ですが、ゆく年くる年 の放送法上の番組分類は、報道番組となっています。例年進行役は、おはよう日本のキャスターが勤めており、今回は阿部渉・鈴木奈穂子 アナが担当しました。

 正月 2・3日の「第90回 箱根駅伝」は、東洋大が 往路・復路・総合と「完全優勝」を遂げました。90回の記念大会でしたが、2区で山梨学院大が早くも途中棄権。さらに繰り上げスタートも、早くも往路で 2校発生するなど、序盤から大波乱の展開でした。9区の戸塚中継所に至っては、7校もの繰り上げスタートがあって、2校の襷が 僅かな差で繋がりませんでした。

 【経済星取表:(2003年 大納会)『 ● ● 』(2013年 大納会)】

 昨年大納会の日経平均株価終値は、1万6291円31銭と、1年間で 5896円13銭「大きく上昇」しました。年頭日記恒例の経済星取表は、騰落率 25%以上の暴騰を示す「赤の星形勝星」が付いています。アベノミクス政策が功を奏し、国内に景気の回復兆候が出始めており、先行指標の平均株価は 堰を切った様に上昇しました。大きな航行ランプが灯っています。

 ここ長野県松本市は、市街地に年末からの積雪はなく、曇りがちだった元日から 2日になると好天に恵まれ、比較的暖かい 穏やかな三が日を迎えています。ご愛読者の皆様、今年も『チャート★ドランカー BLOG』を、何卒よろしく お願い申し上げます。


(追記) レコード大賞の視聴率は 17・6%。箱根駅伝の視聴率は、往路 26・8% 復路 27・0%でした。

第565回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    ビリーバンバン「これが恋というなら」
    三和酒類 iichiko テレビCMソング
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    NHK総合・ドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー同期生」テーマ音楽 及び 演出効果音楽 [東谷尚]
  3. 第 3 位 ( △ )
    Jamie Cullum “Save Your Soul”
    トヨタ自動車 テレビCMソング
  4. 第 4 位 ( ★ )
    NHK総合・大河ドラマ「軍師官兵衛」テーマ音楽 [菅野祐悟]
    ♪ 和音構成は 難解な現代音楽の趣があり、旋律に類似性もありますが佳曲。
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    ダイドーブレンド オーケストラ編 テレビCM音楽 [ELIAS ARTS]
    ♪ 1位 4週、登場18週。

 2003年のスタート以来、このブログがずっと世話になっているのは、Googleです。まだ数ページしかなかったこのブログに、ロボットさんがやってきて、インデックスしていったのが 出会いになります。それから現在に至るまで、ロボットさんは マメにやってきて、今や700以上を数える個別ページを、殆どインデックスして頂いています。大変ありがたい事です。

 2003年当時の検索エンジンと言えば、Yahoo!JAPANが全盛期でした。このブログがYahoo!にカテゴリ登録された時など、もの凄い数の訪問者が、トップページへ押し寄せました。一方の Googleと言えば、GOO(NTT系のポータル)と、Googleの区別がつかない人がいるくらい、国内ではまだマニアックな検索エンジンだったのです。

 それでも当時の Googleは、入力される検索ワードを素直に受け止めて、完全一致の検索結果をサイトの軽重に関係なく そのまま表示する、調べ物などに使うと大変役に立つ検索エンジンでした。私は、この Googleを当時から愛用していました。役に立つ検索エンジンとして培った信用が、その後の Googleの隆盛へと繋がっていたのだと思います。

 ところが最近のGoogleは、調べ物の満足度が徐々に低下しているのです。検索ワードと完全一致の結果よりも、まとめサイトやネットショッピングの類推結果を、上位に掲載する様になってしまいました。検索結果に ある意味独善性を混入しているのです。世界的に検索エンジンの一強となった Googleは、はっきり言って天狗(笑)になってきています。

 検索では、自分が入力したワードと完全一致した結果を掲示する事が、まず前提条件です。完全一致した結果がなければ、次善の策として類推結果を表示すれば良いのです。この大原則を変質してしまえば、検索エンジンの品質は低下してしまいます。Googleの草創期は、実に賢かったのに、入力した検索ワードを勝手に変える行為は、愚かとしか言い様がありません。

 とにかくGoogleは、検索のデフォルトを、まず「完全一致」にして、完全一致が無ければ、こちらではありませんか? と提示するぐらいの、低姿勢になることです。Googleに求めているのは、検索の道具( tool )であって、検索の教師( teacher )でありません。Googleには、天狗になった独善を改めて、賢かった低姿勢の頃に戻る事を強く求めます。

第566回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    ビリーバンバン「これが恋というなら」
    三和酒類 iichiko テレビCMソング
  2. 第 2 位 ( △ )
    NHK総合・大河ドラマ「軍師官兵衛」テーマ音楽 [菅野祐悟]
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    NHK総合・ドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー同期生」テーマ音楽 及び 演出効果音楽 [東谷尚]
  4. 第 4 位 ( ★ )
    akiko “Beyond the moon”
    NHK総合・ドラマ10「紙の月」挿入歌
    ♪ Pf.に重なり合う様にヴォーカルが和声になっているイントロから美的な佳曲。NHKに問い合わせたところ、音楽担当者・住友紀人 制作による劇伴1トラック扱いで楽曲名不詳。➝ その後 曲目追記済。
  5. 第 5 位 ( ★ )
    abn テレ朝・木曜ドラマ「緊急取調室」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [林ゆうき]
    ♪ 独特の哀感もある 和声・調性ともに洗練された劇伴音楽群。

 昨年末から総務省の諮問機関「放送政策に関する調査研究会」が、民間ラジオ放送の根幹を変えるような、重大な国策を示唆し始めました。民間ラジオ局の経営統合を進めるため、放送法の規制を一段と緩め、都道府県ごとにローカル番組を作らせる最大の義務を、経営統合したラジオ局には課さず、放送番組を同一化しても構わないという驚くべき案を提示してきたのです。

 基幹放送普及計画 第1の3には「地域住民・地域社会の要望を充足する放送」を行う義務規定があり、それがローカル放送による自社制作番組を制作しなければならない義務の根拠だったのですが、これを取り去ろうというものです。例えば隣接するA県 と B県のラジオ局を経営統合した場合、両方のラジオ局のローカル放送を縮減し、番組を共通化する事が可能になります。

 広告収入の減少で経営が悪化しているラジオ局が多く、都道府県の境をまたいだ番組の同一化による再編が進めば、制作費が大幅に減ります。さらに放送番組の同一化によって、県境における中継局の重複が不要となり、置局の効率も実現し、マスター設備の統合の容易化などが期待されるとの事なのですが、今までの民間ラジオ放送の根幹を変えてしまうのは 間違いありません。

 既に マスメディア集中排除原則は緩和されており、ラジオは 4波まで特例として、資本の支配関係が認められています。これまでに とちぎテレビがFM栃木(RADIO BERRY)及び CRT栃木放送を支配し、東京のLFニッポン放送が J-WAVEを支配しているのです。但し、支配と言っても あくまで持株上の事で、番組編成上の独立は担保されていました。

 今後 経営統合され放送番組内容が同一化されれば、毎日流れる番組にも重大な変化が生じてきます。放送対象地域の同じラジオ局が、経営統合する事も想定しており、放送番組が同一化すれば、どちらかが一方の中継局となってしまう可能性まで起き得るのです。今まで不透明だった日本のラジオ放送の将来像が、送り手にとって峻烈極まりない姿で 見えてきた気もします。

 番組の同一化は、まだ総務省の たたき台の段階なので確定ではありませんが、先だってのAMラジオ局のFM同時放送の問題といい、突然始まったFMラジオ局の減資(資本減少)といい、このラジオ局の経営統合による放送番組同一化容認は、全国単営ラジオ局の経営状況を睨みながら、タイミングをみて一気に、ラジオ放送行政の国策となる可能性が 極めて高いと言えます。

 ただFM長野を愛聴している一(いち)リスナーとしては、長野県エリアに災害などの緊急報道や選挙開票速報などの重要な情報は もちろん、ニュース・気象などの1次情報を 定時放送してもらえれば、良質で穏やかな音楽番組は、同一化しても別に不利益となりません。私が好きな「ジェットストリーム」は、47年間に渡って、全国規模で放送番組が同一化しています(笑)。

第567回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( △ )
    NHK総合・大河ドラマ「軍師官兵衛」テーマ音楽 [菅野祐悟]
  2. 第 2 位 ( ▽ )
    ビリーバンバン「これが恋というなら」
    三和酒類 iichiko テレビCMソング
  3. 第 3 位 ( △ )
    akiko “Beyond the moon”
    NHK総合・ドラマ10「紙の月」挿入歌
    ♪ 楽曲タイトルが発表になりました。
  4. 第 4 位 ( ★ )
    桜井美南「今かわるとき」
    テレビ東京・ドラマ24「なぞの転校生」オープニング テーマ
    ♪ シナスタジアを押しつける様なタイトルバックですが、イントロから和音構成と調性が整っている佳曲。
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    abn テレ朝・木曜ドラマ「緊急取調室」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [林ゆうき]

 今年の大河ドラマ「軍師官兵衛」は、戦国時代・豊臣秀吉の軍師である黒田官兵衛の生涯が題材です。昨年の大河ドラマ「八重の桜」が、後半の明治編に至り 視聴率がヒト桁台に崩れてしまうのでは? との心配がありましたが、どうにか持ちこたえました。今作 開始時の世帯視聴率は、18・9% ➝ 16・9% ➝ 18・0%(関東地区)と堅調に推移しています。

 過去の大河ドラマでは、豊臣秀吉の一代記を数多く取り上げており、黒田官兵衛 役は 1965年の「太閤記」で 田村高廣。1996年の「秀吉」が 伊武雅刀。そして2006年の「功名が辻」では 斉藤洋介が演じていました。いつもなら秀吉が長浜城主になったあたりから登場しますが、今回は その黒田官兵衛を主役に設定し、幼少期から描写していくストーリーです。

 今回の「軍師官兵衛」で気になったのは、2010年の「龍馬伝」から続いている立体感や色彩に広がりを持たせる映像技術です。また赤みが強くなった感じがしました(笑)。次に 藤村志保のナレーションも気になりました。75歳という高齢の滑舌に、妙に芝居がかった抑揚が加わって、大変聴き取りにくいです。このナレーションの演出意図が理解できません。

 思い出したのは、2009年のテレビ東京・新春ワイド時代劇「寧々 ~ おんな太閤記」のナレーションを担当した 森光子の例です。基礎的な呂律にも問題があった そのナレーションは、聴きにくいというよりも、実に痛々しかったです。再放送の際に大幅に差し替えられたほどでした。今回の藤村志保のナレーションも、それに匹敵するほどの違和感を覚えました。

 大河ドラマには、ナレーション(語り)を、NHKアナウンサーが担当する伝統もあったはずですが、1988年「武田信玄」の若尾文子あたりから変質してしまいました。NHKアナウンサーが、語りを担当していた理由には、1年に及ぶ長期放送に耐え得る様に、視聴者に対して史実のレクチャーをしていく事に他なりません。解りやすさ そして 聴きやすさが 必須条件なのです。

 今回の「軍師官兵衛」の魅力は、何と言っても 1996年の「秀吉」で主役を演じた竹中直人が、再び木下藤吉郎 ➝ 豊臣秀吉のリレーに挑戦している点です。この様な再登板には 類例があり、1965年の「太閤記」の緒形拳が、1978年の「黄金の日々」で同じ豊臣秀吉を演じています。竹中秀吉の造形である「心配ご無用!」の台詞再現を視て、妙な感動を覚えました。

 音楽は 菅野祐悟が担当。テーマ音楽を初聴した時、小六禮次郎が制作した、2006年の「功名が辻」テーマ音楽と、旋律構成が類似しているのが、まず気になりました。さらに後半の和音構成に、難解な現代音楽の趣があったのも、少し引っかかっています。私の和声感からは、音楽としての完成度が高いと感じましたが、独創性に関する評価に躊躇を覚えざるを得ませんでした。

 主役の岡田准一は、よくやっていると思います。そう言えば昨年の紅白歌合戦の際、NHKから発表されたゲスト審査員のリストに、岡田准一の肩書が俳優でなく、タレントとクレジットされていました。ジャニーズ事務所のタレントを大河ドラマへ主要配役すると、肖像権を始めとする著作権主張が激しく、その後の再放送や映像の二次利用などに影響を及ぼす傾向があります。

 NHK大河ドラマは、広範な国民の世帯から支払われた、法令に基づく放送受信料で制作されています。著作権主張も理解できますが、NHK日本放送協会が制作・放送したテレビ番組は、再放送を含め視聴する権利が、源泉たる国民に帰する事を、出演者を派遣する芸能プロダクションは、まず最初に認識すべきだと考えます。「軍師官兵衛」の今後の展開に期待しています。

 2014年 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」19日 放送・第3回「命の使い道」
【タイトルバック・クレジット順序(配役発表序列): ◯ 岡田准一 / △ 谷原章介 ➝➝ 内田有紀 ➝ △ 益岡徹 ➝➝ 田中哲司 ➝➝ 大谷直子 ➝➝ 濱田岳 ➝➝ 永井大 ➝➝ 金子ノブアキ ➝➝ 南沢奈央 / ◯ 江口洋介 / △ 竜雷太 ➝ △ 塩見三省 ➝ △ 片岡鶴太郎 ➝ ◯ 竹中直人 ➝ ◎ 柴田恭兵 】

 ここに掲載されたピンクレ(1画面に 1人だけ配役が紹介される)俳優を、ブログでの格付け対象としています。タイトルバックでは、俳優表示のリズムや 区切り方にも意味があり、それらを分析しました。 / や ➝ は、表示間隔の強弱を表し、無印  △  ◯ の順でランクが上がり「トメ」の ◎ が、今回における最高俳優と、このブログでは 独自な格付けを打っています。


(追記) 第7回放送からナレーションが、広瀬修子 元NHKアナウンサーへ変更になりました。

第568回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    NHK総合・大河ドラマ「軍師官兵衛」テーマ音楽 [菅野祐悟]
  2. 第 2 位 ( △ )
    桜井美南「今かわるとき」
    テレビ東京・ドラマ24「なぞの転校生」オープニング テーマ
  3. 第 3 位 ( ⇒ )
    akiko “Beyond the moon”
    NHK総合・ドラマ10「紙の月」挿入歌
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    ビリーバンバン「これが恋というなら」
    三和酒類 iichiko テレビCMソング
    ♪ 1位 5週、登場17週。
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    abn テレ朝・木曜ドラマ「緊急取調室」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [林ゆうき]

 東京のAM局であるLFニッポン放送の周波数は 1242KMzです。それから僅か 9KMz差の 1251KMzに、夕方から夜間になると非常によく聴こえる放送局が、1970 ~ 80年代に毎日出現していました。それは、旧ソ連の日本向け国際ラジオ放送「モスクワ放送」。極東のウラジオストクから、1000KWという超ハイパワーで放送されていたのです。

 ラジオというのは、電池・電源が無ければ動きませんが、実は電池・電源が無くても動くAMラジオがあります。ゲルマニウムラジオ(ゲルマラジオ)といって、空中の電波がアンテナと接する際に発生する僅かな電気を利用し、送られてくる電波の力で給電してしまう原始的なラジオです。もちろん大きなアンテナがないと給電出来ず、地元AMラジオ局でも受信出来ません。

 私は茨城に住んでいた頃、ダラっと垂らした細巻リールのアンテナ線程度で、夜間モスクワ放送が ゲルマラジオで聴こえた事がありました(笑)。ニッポン放送は、千葉県木更津市から、出力 100KWで送信していますが、この程度のゲルマラジオ アンテナでは 都内でもない限り聴こえません。1000KWという送信出力が、いかにハイパワーなのかを物語っています。

 当時のモスクワ放送は、ソビエト社会主義共和国連邦のプロパガンダ(宣伝)放送でした。ソ連は 良い国で、西側諸国が ダメなのか(笑)夕方 5時から 深夜まで、手を替え品を替え 延々とレクチャーが続きます。ニュースも 音楽番組も、総てプロパガンダ(宣伝)が目的です。但し延々といっても風変わりな編成をしており、1回の放送が 30分から 45分と短いのです。

 インターバル・シグナルである、ドゥナエフスキー作曲「祖国の歌」の冒頭 2小節をチャイム化した曲が流れると、放送開始アナウンスがあって 番組に入ります。番組が終わると きちんと放送終了アナウンス。1分ほどの無音部があっても 送信は止まらず、また「祖国の歌」のチャイムが流れ、また律儀な放送開始アナウンスと別番組。このサイクルを 1日何回も繰り返します。

 この「祖国の歌」のチャイムは、国内向け全連邦第1放送の開始時にもオンエアーされており、毎年 5月 1日に赤の広場で行われた、メーデーパレードの開始時に 同じチャイムが、モスクワ・クレムリン宮殿前の赤の広場全体に流れていました。ちなみに全連邦第2放送は、このブログでも紹介した「Mayak(マヤーク)」。開始音楽は、モスクワ郊外の夕べです。

 モスクワ放送の数ある日本語番組の中で、私が忘れられないのは、夕方 5時の 1回目の放送で、ニュースの後に流れていた「ソ連の平日」という番組でした。「ローマの休日」というオードリー・ヘプバーンの有名な映画がありますが、全く真逆な発想で(笑)いかにソ連に住む人達は、平日に共産主義の理想を目指し、真面目に働いているかを長々と紹介する内容なのです。

 この「ソ連の平日」という番組タイトルだけで、モスクワ放送全体を象徴出来ると思います。また「聴取者の手紙から」と題したリスナーからの手紙紹介番組は、手紙の紹介よりも、返事の教示に殆ど費やしていました(笑)。ただ文化大革命の頃の北京放送など、共産・社会主義諸国の対外宣伝放送に比べ、洗練された印象をモスクワ放送から 受ける事ができたのも事実です。

 モスクワ放送が圧巻だったのは、通常の番組よりも書記長クラスの要人が亡くなった時の特別編成でした。当時のソ連の国内放送は、党中央の書記長クラスの要人が亡くなると、いきなりニュース速報が出ません。予告なく番組が変更されクラシック音楽が長時間放送されます。ソ連国民にトップ要人の訃報を受け止める体勢が出来、その後で臨時ニュースが流れるのです。

 日本向けのモスクワ放送も特別編成となり、ニュース と クラシック音楽放送だけとなります。この放送されるクラシック音楽が、素晴らしい選曲で実に荘厳でした。モスクワ放送の真骨頂は、トップ要人逝去の時しか味わえません(笑)。この点からも モスクワ放送のスタンスとは、教条的思想を植えこむと言うより、ソ連邦の雄大さが解れば佳しだと、私は 感じていました。

 その証拠として、80年代の番組編成が挙げられます。週末の最終番組に「ミッドナイト・イン・モスコー」という、レクチャー抜きの人気音楽番組や、月末の最終番組には「ヒットテン・イン・モスコー」と題したモスクワ放送のヒットチャート番組を放送する域まで、日本向けのモスクワ放送は達するのです。但し、こっそり放送しているような編成でしたが(笑)。

 モスクワ放送に受信報告や手紙をエアメールで出すと、必ず丁重な返事が届きますが、綺麗な絵葉書タイプのベリカードなどの他に、日ソ友の会の入会案内や、次の手紙は モスクワ放送東京支局へ送ってくださいとの リーフレットが同封されていました。このモスクワ放送東京支局というのが、謎の存在でした(笑)。なぜか民間マンションの一室が指定されていたのです。

 モスクワ放送東京支局の所在地が、ソ連大使館内でなく、同じ麻布狸穴町の民間マンションの一室とは、不可思議な気持ちにさせられました。モスクワ放送東京支局が、ソ連情報機関の分室ではないかと妙な好奇心を覚えた事もあります(笑)。また日ソ友の会の入会案内を読んでみると、ソ連邦の宣伝目的の割には、しっかり入会金や会費納入を求めていたのには苦笑しました。

 時は流れ 1991年にソ連邦は崩壊し、モスクワ放送も「ロシアの声」と局名が変わりました。日本向け放送は、遂に昨年末AM中波放送を打ち切り、プーチン 大統領の整理命令により、ロシアの声は廃止になるそうです。ソチ冬季五輪が まもなく開催されるロシアでは、旧ソ連時代から続く世界最大の国際ラジオ局だったモスクワ放送が、静かに終焉の時を迎えていました。


(追記) 週間放送視聴日記(2022年 3月 4日)に、ウクライナラジオの戦時番組編成 を掲載しました。


ブログ開始は 2003年です。

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