FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第61回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    NBS フジ・木曜劇場「白い巨塔」劇中効果音楽 [加古隆]
  2. 第 2 位 ( △ )
    DREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」
    SBC TBS・日曜劇場「砂の器」主題歌
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    茉樹代「桜咲くまで」
    SBC MBS・ドラマ30「桜咲くまで」主題歌
  4. 第 4 位 ( ★ )
    SBC TBS・日曜劇場「砂の器」劇中効果音楽 [千住明]
    ♪ 劇中で使われるクラシック小品に、遜色なきピアノ協奏曲「宿命」がリスト対象となっている劇伴佳曲。
  5. 第 5 位 ( ★ )
    上原多香子「ブルー・ライト・ヨコハマ」
    NHK総合・連続テレビ小説「てるてる家族」挿入歌
    ♪ レトロさを感じさせないフェミ二ンなヴォーカル。

 以前ブログで、私が小学生の頃から聴いていたRFCラジオ福島の思い出について書きました。ところが私は 福島県民ではありません(笑)。茨城県の県北の市である北茨城市で育ちました。茨城県民として地元のラジオは、当然IBS茨城放送なはずです。ところがIBSは、良く聴こえませんでした。県北地域にIBSの中継局がひとつも無かったのが大きな理由です。

 1977年 水戸本局が 5KWに増力して、やっと北茨城市内でもIBSが昼間はっきり聴こえる様になりましたが、夜間になると混信に埋没して殆ど聴き取れません。そして夜明けになると また聴き取れる様になるのです。ですから私にとってのIBS茨城放送は、中学生の頃から茨城を離れるまで、午前6時の放送開始から夕方までのリスナー体験なのです。

 IBS茨城放送のヒットチャート番組は、 IBSヒットランキングでした。第1部・歌謡カフセル、第2部・ポップランド。2時間に渡って、日曜の午後にQR歌謡選抜の真裏で放送していました。第1部は 相川由春 アナ、第2部が 遠藤理 アナ。第2部の提供スポンサーは 日立製作所でした。ところがIBSヒットランキング以前にも、小さなチャート番組があったのです。

 私が中学生の頃ですが、確かタイトルは「歌謡ヒット情報」と言っていた気がします。水戸・土浦・日立の有名レコード店からシングル売上のベスト5を、スタジオから電話で聴き取ります。売上枚数も報告させていました。その3店のベスト5の売上枚数を合計して、IBS総合のベスト3を決定。曲をオンエアーする、なんとも慎ましいチャート番組だったのです(笑)。

 中学生の私としては、なんじゃこりゃ(笑)と思いながらで聴き流していたのですが、このブログを始めた今 振り返ってみると、なかなかチャート番組の本質を突く様なミニ番組だったと、懐かしく思い出されます。なおこの電話報告のスタイルは、IBSヒットランキングに引き継がれ、あのオリコンからも担当者にベストテンを電話報告させ、その音声を放送していました。

 当時IBS茨城放送には、水戸駅近くにサテライトスタジオがあり、伊勢甚水戸店でもステージがありました。日曜日は、この歌謡ヒット情報の前後に、2箇所から時間差を設けて公開生放送をしていたのです。私は中学時代に この 2番組の公開生放送を、掛け持ち(笑)で観にいった思い出があります。水戸市内で聴いたIBSは、それはそれはクリアに聴こえていました。

 平日午後のミニ番組「レッドイエローブルー」や「淀川長治のいいですね楽しいですね」正午前に放送していた「ラジオ県民室」。4時間の時差しかなかった「8時のリクエスト」と「正午のリクエスト」。全日放送の「お誕生日おめでとう」夕方放送で北茨城市ではだんだん聴こえなくなってくる「日産ドライブパートナー」など、IBSには 個性的な番組が目白押しでした。

 私がリスナーの頃は、IBSの本社が水戸市北見町の茨城新聞本社隣にあり、局舎は 戦前から建っているのでは? と思わせる程老朽化していました。見学コースは、2階に上がって僅か廊下 1本という有様だったのです(笑)。私が長野へ引っ越した後の1993年になって、千波町に夢の(笑)自社ビルを建て、本社を移転。現在も新本社スタジオから放送を続けています。

 どうしても北茨城市でよく聴こえるRFCラジオ福島のほうが、リスナーとしての濃度は高かったです。でも顧みれば、旧本社へ見学に行ったり、日曜に公開放送の掛け持ち観覧をしたりと、やはり茨城県民として、IBSに馴染んでいたなと、今 長野県民である私としては、思い起こせるのです。聴こえ始める午前 6時の放送開始アナウンスが、懐かしい記憶として残っています。


(追記) 週間放送視聴日記(2015年10月23日)に、橘家圓蔵 師匠逝く の中で、IBS茨城放送の思い出を、さらに掲載しています。

第62回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    NBS フジ・木曜劇場「白い巨塔」劇中効果音楽 [加古隆]
  2. 第 2 位 ( △ )
    茉樹代「桜咲くまで」
    SBC MBS・ドラマ30「桜咲くまで」主題歌
  3. 第 3 位 ( ▽ )
    DREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」
    SBC TBS・日曜劇場「砂の器」主題歌
  4. 第 4 位 ( ☆ )
    NBS フジ・火曜時代劇「剣客商売」テーマ音楽 [篠原敬介]
  5. 第 5 位 ( ★ )
    浜崎あゆみ “Moments”
    コーセー化粧品 テレビCMソング
    ♪ 深い域にある詞とドライブ感の強い佳曲。

 NBS長野放送(フジ)火曜時代劇で現在放送中の「剣客商売」は、池波正太郎 氏の時代小説「鬼平犯科帳」と双璧をなす作品です。現在のテレビシリーズにおける 父・秋山小兵衛 役の藤田まこと には、もちろん文句のつけようがありません。藤田小兵衛は、空中戦が出来る(笑)無外流の達人です。いま考え得る最高かつ無二とも言える時代劇キャスティングだと思います。

 私は、1973年のテレビシリーズを視ていた記憶があります。父・秋山小兵衛には 山形勲。子・秋山大治郎は 加藤剛。佐々木三冬が 音無美紀子でした。加藤剛 と 山形勲は、TBSテレビ「大岡越前」第1部 屈指の名作エピソード「天一坊事件」において、大岡越前守忠相 と 山内伊賀亮という宿命の敵同士です。その敵同士が 3年後に秋山親子の原形を創り上げました。

 藤田まこと の時代劇と言えば、もちろん必殺シリーズの中村主水ですが、他にも勝プロダクション制作・フジテレビ放映「夫婦旅日記 さらば浪人」(1975年 4月 ~ 9月 全 25話)の三沢伊兵衛 役も素晴らしかったです。妻 たよ(中村玉緒)を愛し、お人好しな剣の達人のリクルート(笑)物語でした。藤田まこと の芸風を、如実に発揮した時代劇だと思っています。

 9日には 評判の高い「剣客商売」の名エピソード「その日の三冬」が放送されました。岩田勘助 役で登場した本田博太郎の美的な狂気は、独創で生み出した演技です。最近の時代劇に欠かすことが出来ない、名優・本田博太郎の岩田勘助 役は、本当に素晴らしかったです。一方 佐々木三冬 役に関して言えば、寺島しのぶ ではなく、大路恵美のほうが良かったと思い続けています。

 どうも大路恵美は、渡部篤郎の降板に連座してしまった様です。もちろん今の秋山大治郎 役の山口馬木也は 良くやっています。ですが佐々木三冬 役の交代には、どうしても馴染めません。私は、この剣客商売での大路恵美という女優の存在感が好きなのです。「剣客商売」第1シリーズの頃の相当無理のある(笑)されど妙に健気な佐々木三冬 役が とても気に入っていました。

 第2シリーズ以降も良い感じに演技の幅が伸びてきたので、後々 渡部篤郎と いい夫婦を演じられるのでは? と秘かに期待していたのです。しかし、結局 第3シリーズ一杯で降板してしまいました。主要レギュラー陣の配役は申し分なく「鬼平犯科帳」同様、池波正太郎 氏の原作に誠実に準拠した素晴らしい時代劇なのですが、ふたりの降板劇は 少々残念でなりません。

第63回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( △ )
    茉樹代「桜咲くまで」
    SBC MBS・ドラマ30「桜咲くまで」主題歌
    ♪ 作・編曲は 塚崎陽平。
  2. 第 2 位 ( ▽ )
    NBS フジ・木曜劇場「白い巨塔」劇中効果音楽 [加古隆]
  3. 第 3 位 ( ⇒ )
    DREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」
    SBC TBS・日曜劇場「砂の器」主題歌
  4. 第 4 位 ( △ )
    浜崎あゆみ “Moments”
    コーセー化粧品 テレビCMソング
  5. 第 5 位 ( ★ )
    SOULHEAD “YOU CAN DO THAT”
    メナード化粧品 テレビCMソング
    ♪ 彩りのあるハーモニーとサビのインパクト。

 NBS長野放送で視聴したフジテレビ開局 45周年 記念ドラマ・木曜劇場『白い巨塔』は、21世紀で最初に出会えた最高水準の民放テレビドラマでした。このブログの「週間選曲リスト」では、昨年 10月 放送開始にも拘らず劇伴音楽は、12月12日と遅めにリストインしました。まさか あの加古隆の凄い音楽を、ドラマ本編が こなし切るとは思ってもいませんでした。

 鵜飼 医学部長(伊武雅刀) 岩田 医師会長(曽我廻家文童) そして義父である財前又一(西田敏行)らのリアルな料亭密談シーンや、東 教授(石坂浩二)と 大河内 教授(品川徹)の教授選挙 投開票時の対照的な好演が、まず印象に残っています。大学病院の教授選挙の投票用紙が、折り畳み式の木札に貼ってあるとは、このドラマで初めて知った次第です(笑)。

 そして選挙参謀として、船尾 東都大学教授(中原丈雄)に、今津 第二外科教授(山田明郷)など「白い巨塔」は、俳優のキャラクターと配役が ピタリはまっていました。また 4日の第19回 放送ラスト・シーンは、テレビ史に残る名場面です。傍聴席で絶叫した柳原 第一外科医局員役の伊藤英明と、大混乱となった法廷内で演じていた俳優・女優達の目が実に印象的でした。

 まず 法廷の中で、柳原 第一外科医局員を慌てて制止しようとし突き飛ばされた後、思わず見上げた 竹内 第一内科医局員(佐々木蔵之介)の驚きの目がありました。さらに亀山 元第一外科看護師(西田尚美)の まるで予期していたかの様な哀感に満ちた眼差しと、東 教授(石坂浩二)の憐憫をたたえた目には、それぞれが見事なコントラストを構成していました。

 そして対照的に「ドアホッ!」と恫喝した時の財前又一(西田敏行)から発する怒りの目付きは、コミカルな演技から離れた強烈なインパクトがあったのです。これら各俳優・女優達の「目の演技」は、僅か十数秒の間にシーンとして切り取られていましたが、最高水準のカメラワークで捉えています。この第19回における凄まじい法廷劇は「白い巨塔」最大の見せ場でした。

 そして この秀逸なドラマ全体を貫いているのは、加古隆が創り上げた劇伴音楽効果なのです。提供スポンサーのクレジットが入っても、放送芸術の域まで達した素晴らしいタイトルバックで流れるテーマ音楽は、深遠なほど美しかったです。控訴審判決文を 公式サイトで公開するほど練り上げられた脚本に、加古隆の凄い劇伴音楽が相乗して、ドラマの人気をさらに高めていました。

 【最終回視聴率:関東地区 32・1% 関西地区 39・9%】

 近年の民放ドラマでは、破格の 2クール連続放送で迎えた 18日 放送の最終回視聴率は、記録的な数字を獲得しています。『白い巨塔』全 21回の完成度の高さは、民放ドラマとして信じられないほどです。まさか今のCX・フジテレビに、この様な言葉を書くとは思いませんでした(笑)。共同テレビさん、そしてフジテレビさん。本当に素晴らしいドラマを ありがとう。

第64回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    茉樹代「桜咲くまで」
    SBC MBS・ドラマ30「桜咲くまで」主題歌
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    NBS フジ・木曜劇場「白い巨塔」劇中効果音楽 [加古隆]
  3. 第 3 位 ( △ )
    浜崎あゆみ “Moments”
    コーセー化粧品 テレビCMソング
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    DREAMS COME TRUE「やさしいキスをして」
    SBC TBS・日曜劇場「砂の器」主題歌
  5. 第 5 位 ( ★ )
    イエロー ジェネレーション「扉の向こうへ」
    SBC TBS・アニメ「鋼の錬金術師」エンディング テーマ曲
    ♪ とても和声を感じさせる秀でたアレンジのアニソン。

 今週は、藤沢周平 原作・金曜時代劇「蝉しぐれ」(2003年 8月 ~ 10月 本放送)のリピート放送を視ました。この「蝉しぐれ」では「海坂(うなさか)藩」という架空の藩を物語に設定しています。ただ描かれている自然の豊かさ と 原作の小説が 山形新聞・夕刊で掲載された点からも、舞台は 山形県 鶴岡市・酒田市などの庄内平野に間違いありません。

 主人公・牧 文四郎(子役:森脇史登)は、海坂藩の下級藩士の養子として少年期を過ごします。友人達と 道場に通い、隣家の娘 ふく(子役:伊藤未希)へ恋心を抱く、そんな日々が おだやかに過ぎてゆく中で、文四郎(内野聖陽)は 成長していきます。文四郎の養父・助左衛門(勝野洋)は、普請組に勤める寡黙な人物。農に勤しむ領民の生活を、いつも気づかっていました。

 ところが ある日突如として お世継ぎを巡り藩内に政争が起き、助左衛門は この渦中へ巻きこまれてしまいます。遂に助左衛門は、無実の謀反の疑いで切腹。処刑直後 文四郎が、義父の亡骸を 屈辱の中で刑吏の役人から引き取ります。そして幼なじみの ふく(水野真紀)と、山腹の寺まで義父の亡骸を大八車で運ぶ鮮烈なシーンが、この時代劇を貫く原風景です。

 後に主君の側室になった ふくと、家禄没収 謹慎の身から 義父の名誉回復を経て 郡奉行まで出世した文四郎。運命の流転を経て藩の重い立場になった二人が、密会をする場での回顧に全体のストーリーを乗せていく展開は、本放送時に少々とっつきにくい印象もありました。しかし、今回のリピート放送を視聴して、その筋の深さに ようやく気付く事ができました。

 文四郎は、小和田逸平(石橋保)島崎与之助(宮藤官九郎)から受けた変わらぬ友情。そして道場師範(石橋蓮司)から伝授された「秘剣村雨」を会得し、義父を陥れた家老(平幹二朗)と対決します。苦労を共にする義母(竹下景子)を助け、謀反人の子としての過酷な運命を、鮮やかに切り開いていった歳月が「蝉しぐれ」の聞こえる夏の日の密会に凝縮されていたのです。

 タイトルバックに流れる 若草恵が編曲した主題歌「遥かな愛・・・」(歌・普天間かおり)は 名曲に値します。「蝉しぐれ」が描く世界は、能力報酬主義に翻弄され、疲れ果てた現代社会へ深く通じるものがあります。苛烈でありながら最後に平穏をもたらす主人公の生きざまに、共感をもった方が多かったのだと思います。そこが「蝉しぐれ」人気の源泉だったのです。


(追記) 「蝉しぐれ」が、ドラマアンコールとしてNHK総合で放送され、第528回ランキングで主題歌が 1位に選曲されました。


ブログ開始は 2003年です。

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