FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第708回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    NHK BSプレミアム・プレミアムドラマ「隠れ菊」テーマ音楽 [林祐介]
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    Cocco「樹海の糸」
    NHK総合・ドラマ10「運命に、似た恋」主題歌
  3. 第 3 位 ( △ )
    Band Of Skulls“Navigate”
    NHK BSプレミアム・外国テレビドラマ「クイーン・メアリー ~ 愛と欲望の迷宮」挿入歌
  4. 第 4 位 ( ▽ )
    BS Dlife・外国テレビドラマ「BONES ~ 骨は語る」エンドクレジット テーマ音楽 [Peter Himmelman]
    ♪ 1位 1週、登場 7週。
  5. 第 5 位 ( ⇒ )
    NHK総合・土曜時代劇「忠臣蔵の恋 ~ 四十八人目の忠臣」劇中効果音楽 [吉俣良]

 ここ海のない信州では、縁遠いラジオ放送なのですが、全国の海岸線に点在する主要灯台には、定時になると観測した気象データをアナウンスする、海上保安庁の船舶気象通報局「灯台放送」がありました。50年以上続いた放送でしたが、先月 30日正午を以て運用を終了し 全局停波しました。その閉局の理由とは、気象通報の役割が インターネットに移ったためだそうです。

 灯台放送は、各主要灯台にアンテナを含めた送信施設があり、周波数 1670・5KHz、出力 50Wで放送していました。普通のAMラジオは、1605・0KHzまでしか受信出来ませんが、茨城に住んでいた頃、私の所有していた通信機型受信機や ソニーのICF―EX5など高性能ラジオでは、海岸線から離れていても、海沿いの地域ならば受信可能でした。

 このブログでは、一貫して ラジオ・テレビ局とは、国から免許を受けた無線局との認識を示してきました。灯台放送は、AMラジオ帯に隣接する周波数ながらも、その無線局のイメージに近い放送内容でした。電波の送信は、放送時のみしか行いません。サインオンの後「各局 各局 各局」と 3回繰り返しコールします。この独特なコールは、無線局の一括呼出そのものでした。

 そして自局の呼出名称は、灯台名から選ばれています。最新の風向風速・気圧・波の高さなど放送した後で、例えば高知県足摺岬灯台なら「終わり。こちらは あしずり。さようなら。」とコールし 即サインオフします。この最後の「さようなら」というコールは、業務的な船舶気象通報局と思えないほどの哀感があり、送信する灯台に合致した情景さえ浮かんでくるのです。

 最近の灯台放送は、自動音声による送信ですが、1980年代頃までは 灯台常駐職員が、生放送でアナウンスを行っていました。受信報告書を灯台に直接郵送すると、手作りのベリカード(受信確認証)に、放送を聴いてくれた事への感謝の言葉を添えて、担当の灯台常駐職員から送られてくる、実に粋な時代もありました。自動音声送出に比べると、本当に隔世の感があります。

 私自身も、ラジオではなく、松本 特別地域気象観測所のページを、携帯にブックマークしてあり、そこから最新気象テータを入手しています。また自宅の窓から大きなアンテナが見える、国土交通省 松本砂防事務所の雨量データページもブックマークしてあり、10分おきの更新は、台風や雷雨の時は 重宝しています。今や最新の気象情報は、ネットに頼る様になってしまいました。

 ラジオ メディアにとって、面白い放送、興味を引く放送より、まず「役に立つ放送」こそ満たさなければならない要素なのです。灯台放送が静かにその役割を終えた今、社会にとってのラジオメディア自体の必要性が、どんどん稀薄になっていく気がします。灯台放送は、日々の放送を続ける事によって、その最も大切な点を教えてくれていました。灯台放送。さようなら。


ブログ開始は 2003年です。

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