第404回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
JUJU「この夜を止めてよ」
NBS KTV・ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」主題歌 - 第 2 位 ( ⇒ )
NBS KTV・ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」劇中効果音楽 [住友紀人] - 第 3 位 ( ⇒ )
葉加瀬太郎「ひまわり」
NHK総合・連続テレビ小説「てっぱん」テーマ曲 - 第 4 位 ( ★ )
abn テレ朝・金曜ナイトドラマ「秘密」劇中効果音楽 [溝口肇]
♪ チェロの音色が澄み渡る劇伴トラックは 佳曲です。 - 第 5 位 ( ⇒ )
alan「悲しみは雪に眠る」
戦後から続く民放ラジオの歴史の中で、ひとつだけ断言出来る点は、深夜放送からラジオ全体の編成の流れが変わっていくという傾向です。例えばAMネットのオールナイトニッポンで長年先行した若年層志向の編成が、そのまま今のJFNネットの夜編成に受け継がれています。そして現在の深夜放送は、NHKのラジオ深夜便を始めとしてアダルト志向が定着してきました。
そうなると 民放ラジオ深夜放送の最先端から、今どんな傾向が判るのでしょうか? その第1は「放送休止」です(笑)。平日深夜の放送休止を半年間続けたSBC信越放送は、24時間放送へ復帰しましたが、全国のAMラジオ局で深夜放送を休止する時間は、少しずつ増加してきました。放送休止に至らなくてもAMFM殆どの局は、ネット受けだけで深夜放送を続けています。
そのネット受け番組には、次の傾向が出ています。それが「フィラー」化です。音楽だけを流し途中一切DJをしないフィラー放送は、既にFM長野でも平日深夜 4時から「音楽自由区。」で聴く事が出来ます。90年代からのM1・F1層 重視路線を走ってきた、JFNのキー局・TOKYO FMでも、ネット・非ネット問わず、深夜のフィラー化が顕著になってきました。
TFMのオフィシャル サイトもフラッシュ ガンガン(笑)の非常に先鋭的な作りでしたが(笑)最近では落ち着きのあるデザインに変わっています。TFMがタイアップした時代劇映画宣伝のため、髷を結った俳優の写真をサイトのトップページに、大きくフラッシュしていた時もありました。M1・F1層以外を排他していた低年齢志向からは 全く考えられない事です。
そして番組編成にも、従来と違った新しい傾向が現れています。まず平日早朝に帯でクラシック音楽番組“SYMPHONIA”を放送開始しました。もちろんこの番組は フィラーです。そして平日夕方には、これも帯でニュース報道番組“TIME LINE”を始めています。まだまだテストプログラムの試行段階ですが、明らかにTFMは、ゆっくりと舵を切り始めました。
ある放送評論家の非公式な発言によると、ラジオメディアのコストは、パーソナリティ・DJのトーク量に比例するらしいです。パーソナリティ・DJがラジオでトークする時間が、長ければ長いほど人件費はかかるという意味なのでしょうか(笑)。これは少々暴論だと思いますが、深夜のフィラー放送は、あながち その論理を、間違いないと立証している気もします。
以前ブログにも書きましたが、ラジオの 24時間放送は、強い公共・公益性の点からも、全国あらゆる地域で少なくとも 1局 絶対に堅持しなければならないと考えます。緊急災害報道の役割は、NHKが担っています。総ての民放ラジオ局が、24時間放送を社会的に義務付けられている訳ではないのです。放送事業会社にも、地球温暖化対策のテーゼ と 行動は 必要です。
また音楽を愛するラジオリスナーの立場からは、ニュース・気象情報などの提供があれば、このフィラー放送を 長時間受け入れる素地があります。この考え方には 実例があり、今でも我が国ラジオ放送史上最高の音楽放送は、1988年 8月から 9月にかけて東京タワーから送出された、J-WAVE開局前の試験電波(放送)だったと断言する方さえいるほどです。
J-WAVE開局前の試験電波(放送)は、毎日早朝から深夜まで、時報とコールサイン アナウンス以外、ノンジャンル・ノンカテゴリの音楽を、人口約 1000万人の首都圏へ東京タワーから延々と流しました。そして その選曲で、開局するJ-WAVEのポリシーを示そうとし、J-WAVEの編成方針を練り上げていきました。まさに究極のフィラー放送だったのです。
ラジオメディアに台頭してきた危機感は、メディアとしての収益性や、そこで働く人々の職業としての将来性への不安から発しています。しかしその不安は、ラジオリスナーの生活に直接関係がありません(笑)。ラジオは、リスナーの生活において、必要不可欠な佳き脇役であるべきです。避けられない淘汰の起点として、やはりラジオは 深夜から変わっていくのです。