第224回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
柴咲コウ「ひと恋めぐり」
SBC TBS・愛の劇場「砂時計」主題歌 - 第 2 位 ( ⇒ )
NHK総合・木曜時代劇「柳生十兵衛七番勝負 最後の闘い」劇中効果音楽 [梅林茂] - 第 3 位 ( ⇒ )
工藤静香「雨夜の月に」
NBS 東海テレビ・ドラマ「麗わしき鬼」主題歌 - 第 4 位 ( ★ )
Swing Out Sister “Secret Love”
花王化粧品 テレビCMソング
♪ CM “Segreta” で表現された見事なドライブ感は、書き下ろしのオリジナル佳曲。 - 第 5 位 ( ▽ )
NHK総合・大河ドラマ「風林火山」テーマ音楽 [千住明]
4月期のテレビドラマは、相変わらず不作のようです。ビデオリサーチ社の視聴率調査(関東地区)を見ると、第1回 放送は まあまあの数字でも、以降 低落傾向が最終回まで続くパターンが 殆どです。やはり視聴率調査の標本構成を 10年前・20年前と比較していけば、M1・F1層の姿が消えていく少子高齢化の波が、視聴率調査にも着岸しているのが解ります。
その中で、今クールにおいて好調に推移しているのは、SBC信越放送(TBS)の「夫婦道」です。武田鉄矢・高畑淳子に 柳井満 プロデューサーという「金八」シフトで制作されている「夫婦道」は、穏やかで かつ小ギャグ満載のホームドラマです。視聴していくと、制作側の気負いから生じる違和感がなく、黄金時代を築き上げた佳きTBSドラマ復活の印象を受けます。
母親・高鍋聡子 役の高畑淳子は、日本で有数の本気で泣ける女優です。本気で泣けば、鼻水は出るし(笑)とても芝居になりませんが、高畑淳子は ギリギリまで本気で泣き、見事な芝居を演じ切ります。長女 夏萌 役・しずちゃん こと 南海キャンディーズの山崎静代は、さすが常磐ハワイアンセンターの「フラガール」(笑)。人知を超えた女優としての魅力があります。
武田との口喧嘩相手で、隣家の市会議員を演じる名優・橋爪功には、文句のつけようがありません。先日NHK総合の「スタジオパークからこんにちは」にゲスト出演した時、有働由美子 アナのカンペが、橋「瓜」功になっていたのを目敏く見つけ、カンペを奪い取り生放送のカメラに誤字を写してしまう芸当は「京都迷宮案内」の杉浦恭介 記者そのものでした(笑)。
また橋爪功の朗読技能は、卓越したものがあります。NHKラジオで 1年以上に渡り読み継いだ「三国志」も、大きな人気を博しました。フジテレビの「剣客商売」や、NHK大河ドラマ「武蔵」(2003年放送)では、見事なナレーションを担当しています。その他にも、TBS木曜座「たとえば、愛」の文芸誌 編集部員・吉野哲夫 役が強く印象に残っています。
芸達者達の息の合ったテレビドラマこそ、やはり幅広い年代層の支持を獲得するのは 当然の事です。人気だけが先行する実力が伴わない若手俳優を多用して前人気を煽らなくても、世帯視聴率の総合値は 高くなります。見事な芝居 と 統計学的推定は、正直に一致する事が多いのです。良質のテレビドラマをきちんと育てていく番組編成は、放送文化向上のためにも必要です。
(追記) 2009年 4月から 6月まで「夫婦道」第2シリーズが、復活した「水曜劇場」枠で本放送されました。しかし テレ朝「相棒」と同じ時間帯であったため、視聴率が伸び悩む傾向となり、6月24日 放送では、サブタイトルも付かず「最終回」とクレジットされたのが印象的でした。TBSも、良質のテレビドラマを育てていく番組編成にシフトすべきです。