FM長野・NHK-FM リスナーである ラジオネーム:チャート★ドランカーの個人ブログです。
私の 週間選曲リスト と 週間放送視聴日記 を 公開・保存しています。

第1109回ランキング

   
  1. 第 1 位 ( ⇒ )
    Brenda Russell “Piano In The Dark”
    The official YouTube channel
  2. 第 2 位 ( ⇒ )
    NBS カンテレ・ドラマ「マウンテンドクター」劇中効果音楽 [林ゆうき]
  3. 第 3 位 ( ⇒ )
    TSB 日テレ・土ドラ9「GO HOME 〜 警視庁身元不明人相談室」劇中効果音楽[横山克]
  4. 第 4 位 ( ★ )
    NHKオンデマンド・大河ドラマ「太平記」テーマ音楽[三枝成彰]
    ♪ 多楽器の和声が交響詩のレベルまで達している秀逸曲。
  5. 第 5 位 ( ▽ )
    niko niko tan tan「新喜劇」

 先々月からNHKオンデマンドで、大河ドラマ「太平記」(1991年 全49回)を通しで視聴していました。シリーズ前半は 少しずつ視ていたのですが、このお盆休みを使って、後半を一気に視てしまいました。テレビ時代劇では 今でも取り上げられる事が殆ど無い、鎌倉幕府衰退から建武の新政、そして室町幕府へ移っていく一天両帝の「南北朝時代」を描いています。

 室町幕府を創設する足利尊氏 役は 真田広之。南朝の軍神となる 楠木正成:武田鉄矢。建武の新政を親裁する後醍醐天皇:片岡孝夫、婆娑羅で尊氏派を貫く 佐々木道誉:陣内孝則、野心と革新が抜きに出る執事 高師直:柄本明。尊氏側近の一色右馬介:大地康雄。さらに足利直義:高嶋政伸、足利登子:沢口靖子、新田義貞:根津甚八、桃井直常:高橋悦史らが客演しています。

 音楽は 三枝成彰が担当。17年前のブログで大河ドラマ劇伴の最高傑作と断じた「花の乱」テーマ音楽を制作。今回の太平記 テーマ音楽も、それに匹敵する見事な作品です。冒頭の雅楽器・篳篥(ひちりき)や重厚なコーラスから、劇的転調と多楽器による和声で疾走感を表現。再び劇的転調で弦楽から壮大な管楽合奏に至る、まさしく交響詩まで昇華した美しいテーマ音楽です。

 この南北朝も、戦国に類する時代です。天皇がふたり存在し、朝廷もふたつ存在します。正統の証となる三種の神器は、南朝 吉野方が保持していますが、京都の北朝も隠然たる勢力を守っています。反乱が起きると、ふたつの朝廷に勅を求め和議を謀り、しまいには降伏までし、綸旨 院宣を得て官軍だと主張します。尊氏・直義 兄弟の抗争では、特にその難解な戦国が現れます。

 第44回「下剋上」は、観応の擾乱勃発が時系列で描かれています。3日連続の猿楽三昧に呆れる登子や、宴会感覚でやってきた道誉らの観劇の最中、直義・師直が合戦との出兵速報が入ってきます。さらに酔客を演じ偵察していた直義派の僧・妙吉(白川俊輔)にも別ルートから速報が入る、その猿楽舞台から見た 尊氏・登子・道誉・妙吉 の表情変化が、実に素晴らしいのです。

 実はこの合戦は、尊氏の深謀による企みで、尊氏は猿楽を観ながら合戦が勃発するのを密かに待っていました。軽い気持ちでやってきた登子 と 道誉は、事態の急変につれて尊氏の怖さを悟っていきます。その後 登子は 登子らしく、そして道誉は 道誉らしく寝返りを演じながら(笑)仲裁的役割を果たしていく、観応の擾乱勃発となる このエピソードが、私は 一番気に入っています。

 北条高時 役 片岡鶴太郎と、長崎円喜 役 フランキー堺の独壇場となった第22回「鎌倉炎上」。楠公八臣の和田五郎は 桜金造、神宮寺正房に でんでんを起用。正成 と 楠公八臣らが後醍醐天皇に戦勝報告をした第23回「凱旋」など、傑作エピソードが数多い大河ドラマですが、私は「下剋上」から最終回までの観応の擾乱と、陣内孝則が演じた佐々木道誉に強い魅力を感じます。

 本放送当時、武将姿の真田広之を、洋装で沢口靖子、北畠顕家 役の後藤久美子、足利直冬を産む藤夜叉 役の宮沢りえ が囲む宣材スチール写真があり、それを見た時、来年の大河大丈夫か? と思ったのですが、杞憂でした。前半は 茨城県で、後半は 長野県で、私が引っ越しをした年に本放送を視た個人的に思い出のある「太平記」は、今でも視聴価値を有する名作大河ドラマです。


ブログ開始は 2003年です。

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