第1084回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
クボタカイ “gear5”
テレビ東京・ドラマ25「ハコビヤ」オープニングテーマ
♪ 編曲は Taro ishida。 - 第 2 位 ( ⇒ )
NHK総合・大河ドラマ「光る君へ」テーマ音楽 [冬野ユミ] - 第 3 位 ( △ )
NewDad “Angel” - 第 4 位 ( △ )
hulu WOWOW・連続ドラマW「石の繭 ~ 殺人分析班」劇中効果音楽 [諸橋邦行] - 第 5 位 ( ▽ )
Norah Jones “Running”
1月クールの新作ドラマ世帯視聴率は、低迷と簡単に語れないほど、酷い数字が続出しています。朝ドラ・大河・相棒・日曜劇場あたりが 10%台をキープしていますが、その他は全て 7%台以下です。中には 深夜帯でないプライムタイムで、驚異的(笑)な低視聴率 2・9%を叩き出している新作ドラマすら散見されます。ところが不思議と制作サイドに危機感がありません。
最初から世帯視聴率に期待してないのか、コア視聴率と称する個人視聴率の世代別切り出しを行い、一種の統計操作で、制作責任を問われる敗者ではないと主張しているのです。ネットでは、お抱え放送評論家が、このコア視聴率を使って低視聴率ドラマを擁護する記事をばら撒いています。ここまで観察していると、この論旨すり替えの流れに符合する、別の事実が浮かんでくるのです。
それはラジオ個人聴取率の実態です。ラジオ聴取率は、首都圏・関西圏いずれも、最大で 3%前後。それを性別・世代別で都合いい様に切り取り(笑)1位になったと各局が主張します。こんな事をやっていては、メディアとしての衰退に歯止めがかけられません。そのラジオ聴取率の実態と、テレビ視聴率がどんどん似てきているのです。コア視聴率の考え方など 全くそっくりです。
コア視聴率には、統計学的にも問題があります。関東地区個人視聴率調査の標本誤差は、プラスマイナス 1%とされています。と言っても 1・0%だから誤差の範囲、1・1%なら誤差がないと言う訳でもありません。2 ~ 3%台では、誤差が支配しているのです。どの様な世代でコア視聴率を切り取り順位を付けても、統計学的に有意ではなく、順位に殆ど意味がありません。
コア視聴率 1位が 3・4%、10位が 1・6%程度のランキングになると、順位に統計学的な信頼度は ほぼゼロです。もし、低視聴率の数値を有意にしたいなら、視聴率調査の規模を拡大し、全数調査へより近づける努力をしなければなりません。そんな事は コスト的に無理だと思うならば、テレビ視聴率調査の実施自体が、衰退化したメディア規模からも有意と言えないのです。
現に米国では、この全数調査へのチャレンジが始まっており「ビックデータ」を利用した、新しい視聴率調査を試験的に始めています。日本のビデオリサーチが、1地区僅か 2700世帯に対して、米国のニールセンは、約 3000万0000世帯のサンプルをビックデータから収集。この域まで達して始めて、2% 3%という番組の視聴率分析に有意性がもたらされるのです。
統計学的に意味のないコア視聴率を偏重していると同時に、第三者公証機関のチェックが全く存在しない、TVerなどポータルの番組再生回数のデータも、低視聴率の反論に使われています。テレビ視聴者数を論ずるならば、その数値が統計学的に有意がどうか? そして正確に算出されていると第三者のチェックが入っているかどうか? この 2点がまず必須なのです。