第650回ランキング
- 第 1 位 ( ⇒ )
Natalie Imbruglia “Instant Crush” - 第 2 位 ( ⇒ )
NHK総合・大河ドラマ「花燃ゆ」テーマ音楽 [川井憲次] - 第 3 位 ( ⇒ )
Lady Antebllum “Long Stretch Of Love” - 第 4 位 ( △ )
abn テレ朝・ドラマ「刑事7人」テーマ音楽 及び 劇中効果音楽 [吉川清之] - 第 5 位 ( ★ )
BSフジ・ドラマ「リゾーリ&アイルズ ~ ヒロインたちの捜査線」劇中効果音楽 [James S.Levine]
♪ 劇伴の使用は抑制されていても、驚くほど洗練されています。
ラジオの仕事がしたいと、ラジオ局を目指していた方が多かったのは、まだラジオメディアの将来性に黄色信号が灯ろうかとしていた、1980年代ぐらいだと思います。そこから人生の労働年数約 40年が経過し、希望と楽観に溢れて、ラジオメディアに就職した方々は、殆どが淘汰され、新卒就職した放送局で、経営に参画出来る役員クラスまで登り詰めた方は 僅少です。
私が聴いたラジオ番組での担当アナウンサーで、社長まで昇り詰めたのは、RNB南海放送「POPSヒコヒコタイム」田中和彦 アナだけ。IBS茨城放送の「IBSヒットランキング」阿部重典 アナは、社長まであと少しのポジションです。両者ともにヒットチャート番組を担当していました。チャート番組の本質を理解していたアナウンサーが、トップを極めようとしています。
しかし、実際放送の送出に携わっていた叩き上げが、ラジオ局の経営者まで駆け上がる方は 珍しく、多い例が系列新聞社からの派遣役員。ネットワークキー局からの出向などです。特に系列新聞社からの派遣役員は、余りラジオの世界を知らずに、経営へ参画してしまいます。だいたい現状維持からスタートし、どうにか自分の個性を経営へ色付けしようと模索が始まるのです。
ラジオは、テレビよりも公共公益性がより強く求められるメディアです。その経営への色付けを、よくありがちな収益性の追求に置き換えてしまうと、まず上手くいきません。ラジオでの営業成績の伸びには、自ずと限界があり、その局の長寿番組を合理化したり、放送要員を削減する方向へ行動してしまいます。そしてその局が培ってきた放送文化を壊していくのです。
私には数十年という長いラジオリスナー歴がありますが、そこから得られた絶対的な真理とは、どんなに合理性があろうと、どんなに正当な理由があろうと、長寿人気番組を終了させて、新番組を立ち上げた場合、その新番組は、長寿人気番組に、継続期間も人気も及ばないという点です。これは絶対的な真理です。結局その時間帯は、焼け野原の様な状態に帰してしまいます。
最も不運な形態とは、長寿人気番組がパーソナリティ個人の人気に依存している場合です。この様な個人商店の番組は、禅譲的に番組人気を、長く引き継ぐ事が殆ど出来ません。パーソナリティ個人の人気に依存する様な番組フォーマットは、極力避けるべきです。カンフル剤を打ち続けるラジオ局に未来はありません。経営者なら、その点にも判断基準を置くべきなのです。
ラジオメディアとは、リスナーの生活に寄り添う、佳き「脇役」であるべきです。主役は、リスナー個々の日常生活に他なりません。脇役が主役へしゃしゃり出ようとする動き、それを盲目的に追従する動きこそ、警戒しなければならないのです。培ってきた放送文化の破壊者になってはいけません。このラジオメディアの本質を理解せずして、ラジオ局の経営者たり得ないのです。